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マクロ経済 新型肺炎のパンデミックが視野に。気になる今後の感染と政策対応
2003年のSARSの経験が揺らぐ
新型コロナウイルスによる新型肺炎(COVID-19)によって、世界および日本経済の見通しは極めて不確実になってしまった。本稿執筆時点(2020年3月第1週)の最新状況では、中国における新規感染件数の発生は落ち着きを見せてきており、武漢・河北省以外では、まだ水準は低いものの、経済活動の正常化が始まったようだ。ただ、同年2月のPMI(購買担当者景況指数)は製造業、非製造業ともに既往最低値に急落しており、鉱工業生産などの定量的な指標も同月には記録的な減少となることが見込まれる。おそらく2月が底になると思われるが、3月以降の持ち直しの勢いに自信を持てる状況には至っていない。ところが、中国株は景気刺激策への期待から既に大きく持ち直しており、執筆時点では1月14日以来の水準にまで戻している。中国国内で再び感染が拡がるリスクは残っているものの、もうすぐ沈静化するとの楽観論が慎重論を上回っているようだ。
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