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REIT 長期低迷から反発局面へ。金利動向と経営スタンス変化が鍵
2024年まで3年連続マイナス

エクイティ調査部
シニアアナリスト
大畠 陽介
REIT(不動産投資信託)市場は2021年央にピークをつけた後、長期間にわたって低迷が続いている。東証REIT指数は2022年から2024年にかけて、3年連続でマイナスの総合リターンとなった。また対株式(TOPIX〈東証株価指数〉)では、2023年と2024年は2年連続で20%ポイント以上の大幅なアンダーパフォームとなった。いずれも今までになかったことで、REITの低迷の大きさを物語っている。
長引くREITの低迷により、REITのNAV(ネットアセットバリュー)倍率は0.8倍程度まで低下している。これは、リーマン・ショック後の低迷期(2009~2010年)や東日本大震災後のボトム時に匹敵する水準でもある。
■NAV倍率の推移

不動産市況は全般的に堅調を保っており、資本コストは上昇しつつもREITの資金調達に特段の問題は生じていない。社会経済的に大きな混乱が見られないことを踏まえると、現在のREITのバリュエーションは歴史的な低水準にあると言える。マクロ環境に予想外の大きな変化が起きない限りは、今後のダウンサイドリスクは限定的と考えられる。
また、2025年1月28日には3Dインベストメント・パートナーズによるNTT都市開発リートへのTOB(株式公開買付け)が発表された。同社はアクティビスト(物言う株主)として知られるが、従来のREITの投資家層とは違う属性の投資家による大規模なREITへの投資が明らかになり、REITが割安であることが分かりやすくアナウンスされるかたちとなった。
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