2012年末の政権交代を契機に、東京市場は活況を取り戻した。長らく続いた円高トレンドに終止符を打ち、一時ドル/円相場は103円台まで円安が進んだ。ボラティリティ高まるマーケット環境において頼りにされた金融機関はどこであったか。第23回東京外国為替市場調査の結果を分析する。(津田恒平)
※各金融機関のコメントや通貨別ランキングなどは誌面に掲載。
総合評価は10位まで変動なし。みずほが部門別評価で12冠
2012年11月、野田佳彦前首相が衆議院解散意向を表明して以降、年間を通じて低いボラティリティで推移していた為替相場は大きく動き出した。自民党の安倍晋三総裁による積極的な金融緩和発言を受け、円全面安が進行。政権交代後も、政府が日銀と一体となって脱デフレ対策に取り組む姿勢を明確に示し、円高是正の流れはさらに加速した。東京市場の活況は取引量にも顕著に現れており、東京外国為替市場委員会の調査によると、2013年4月の1営業日平均取引高は3481億ドルと前年10月比で15.8%増加した。
ドル/円相場の円安傾向はおよそ7カ月続き、79円台から103円台まで進行。2013年5月にようやく一方通行の展開は一段落したが、米国の量的緩和縮小の動きなどを受け、引き続き上下にボラティリティの高いマーケット環境が続いている。
変動の激しい相場への注目度は高く、今回の調査には過去最多を更新した前回の1055社・機関を上回る1085社・機関が参加。回答者の内訳は、事業法人693社・機関(前回比58増)、金融法人351社・機関(前回比31減)、外国為替証拠金取引会社41社・機関(前回比3増)となっている。
為替市場全体の取引動向を調査結果により反映させるため、今回の調査から総合評価の算出方法を変更。具体的には、自己申告による月間平均取引金額10億円未満の回答は総合評価の集計に反映しないこととし(金額回答がない場合も集計に反映しない)、同10億円以上の回答者を抽出してスコアの算出を行った。スコアは各回答者が順位付けして選んだ金融機関を規定ポイントで計算する。
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