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年金シニアプランフォーラム2024・特別講演採録 企業年金・個人年金の現状と課題厚生労働省年金局 企業年金・個人年金課長 海老敬子氏
2024年4月2日、年金シニアプラン総合研究機構は都内で「年金シニアプランフォーラム2024」を開催した。同フォーラムでは、毎年異なる主題を設定している。今年は「老後資産形成を巡る諸課題」をテーマに、年金制度や資産運用などを切り口とした老後資産形成のあり方を論じる講演・ディスカッションが催された。本記事では当日のプログラムの中から、厚生労働省年金局 企業年金・個人年金課長 海老敬子氏による特別講演「企業年金・個人年金の現状と課題」の内容をサマリーでお伝えする。
経済・社会の変化における私的年金制度の今後のあり方
2040年に向けて現役世代が減少していくなかで、多様な就労・社会参加の促進や健康寿命の延伸、デジタル化、サービス改⾰による⽣産性の向上などの取り組みが進められている。
経済・社会の変化を受けて企業年⾦・個⼈年⾦部会では、多様な働き⽅の中で早期から継続的に資産形成を図れるようにすることや、個々の事情に応じて多様な就労と私的年⾦・公的年⾦の組合せを可能にすることに関して議論を行っている。
2024年3月に行われた議論の中間報告では、3つの視点に関する意見が取りまとめられた。
視点1. 公平で中⽴的な私的年⾦制度の構築
働き⽅・ライフコースに対応し公平で中⽴的な私的年⾦制度を構築するためには、拠出・運⽤・給付⼀体で議論することが必要だ。
例えば拠出については限度額を引き上げていくべきという議論がある一方で、格差の拡大への懸念を考慮すると慎重に検討すべきだとの意見も上がっている。
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