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年金運用お悩み相談室 第1回 Q.ヘッジ外債運用のパフォーマンスが不芳です。どのように考えたら良いでしょうか?
読者アンケートに寄せられたり、編集部が取材する上で耳にしたりした年金運用のお悩みについて、年金運用コンサルタントとして活躍するニッセイ基礎研究所の徳島勝幸氏に回答いただく本コーナー。第1回となる今回は、昨今為替や金利環境が大きく変動する中で注目を集めるこの疑問を扱おう。
ヘッジ外債投資の意味するもの
まず、為替ヘッジ付きの外債投資を行っている意義を確認してみましょう。ヘッジ外債投資には、大きく2つのアプローチがあると考えられます。1つは、為替ヘッジを付さないアウトライト(※)もしくはオープンな外債投資の、全部または一部の為替リスクをヘッジすることで抑えるというものです。
※外国為替取引において、直物為替(スポット)や先物為替(フォワード)の売買を単体で行うこと。「アウトライト取引」とも呼ばれる
もう1つは、為替レートの決定理論における金利平価説に近い立場から、外債の為替リスクをヘッジすることで実質的に国内債券投資と同等の利回り獲得を期待するというものです。この場合、実際には完全なヘッジを実現することが容易ではないため、そこに国内債券区分に対する超過収益のチャンスを見出すことになります。
資産クラスとしての取り扱いは、独立した「ヘッジ付き外国債券」という区分を設けることも可能ですが、前者のアプローチでは外国債券に含めることが可能で、後者のアプローチでは国内債券の一部とすることが考えられます。
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