東京海上AM、自然災害リスク対象「CATボンド」20周年でセミナー 低相関・変動金利が強み、需給共に拡大
東京海上アセットマネジメント(TMAM)は2026年7月2日、「TMAM CATボンド20周年記念セミナー」を東京都内で開催した。CAT(Catastrophe=カタストロフィ)ボンドは、普通社債より高い利率が支払われる代わり、自然災害が発生した場合には償還元本が減少する債券のこと。TMAMは日本では最も早い段階の2006年から運用を始め、2010年にはニューヨークの100%子会社TMAM USAに運用拠点を移している。セミナーではTMAM USAのCATボンド運用責任者が20年間を振り返るとともに、同社のCATボンドに投資する企業年金基金の運用担当者2人が投資の効用や期待などを語った。(阿部圭介J-MONEY論説委員)

「マザーマーケット」NYに拠点
セッション第1部は「TMAM CATボンド運用の歩み〜20年を振り返って、そしてこれから〜」。TMAM USAの岩井章子DePalmチーフファンドマネージャーをスピーカーに招いて、TMAMソリューション運用部の秦正英(はた・まさひで)ファンドマネージャーが聞き手と進行を務めた。
TMAM USAが米国ニューヨークに拠点を置く理由について岩井氏は①CATボンドが対象とする自然災害リスクの90%が米国由来②NYはCATボンドの取引機会が豊富で情報入手も容易。ブローカーも揃う「マザーマーケット」──といった点を挙げた。また、CATボンドの運用業務のうち為替リスクヘッジ業務だけは東京で行い、あとの全てをNYが担当していると説明した。
大きな節目だった2017年
CATボンド市場にとって近年、最も大きな節目となったのは2017年。この年には米国で3つのハリケーン、大規模な山火事、またメキシコで大規模な地震が発生した。ハリケーン銘柄のドローダウンは非常に大きかったが、それに加え、山火事やサンダーストームなど「セカンダリーぺリル」と呼ばれ、発生頻度は高いものの保険損害額はハリケーンや地震と比べて少額と考えられていた災害の損害額がリスクモデルが算出していた推定値を大きく上回った。こうした事態への対応と、温暖化の影響も加味して、CATボンドの発行条件の見直しが進んだという。【図表1】では2000年代に入ってからのCATボンドの歩みを示した。ハリケーンや東日本大震災など大規模な災害が発生するごとに、CATボンドの市中残高が積み上がっていく状況が分かる。

テールリスク分析と地域分散
CATボンドは、発生確率は低いものの発生時の損害が巨額になるようなテールリスクを内包した証券化商品だ。そのため、新規に発行された債券を購入する際やリバランスなどに当たっては、対象銘柄がポートフォリオ全体の「ショートフォール」リスクに与える影響を細かく分析するという。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。















