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為替 円相場のカギを握るのは日銀がジレンマにどう対処するか
インフレ下のドル安政策はない

チーフ・ストラテジスト
佐々木 融
2024年のドルはFRB(米連邦準備理事会)が100bp(ベーシスポイント)の利下げを行ったにもかかわらず主要通貨の中で最強通貨となった。利上げを開始した2022年も最強通貨となっており、今後FRBが利上げに転じるようなことがあれば、2025年も強い通貨であり続ける可能性は高い。
筆者は米国経済の独り勝ち状態は今年も続くとみており、FRBの利上げ期待が高まりドルが押し上げられる可能性は十分にあると考えている。
トランプ米大統領の政策にも振り回されるだろう。トランプ米大統領が関税引き上げをちらつかせるとドルが買われる傾向があるが、それ以外にも不法移民追放などによる労働市場のタイト化が賃金上昇を通じてインフレ圧力を高め、金利が上昇しドルを支える可能性もある。
また、保護主義政策がますます米国への投資を増加させ、ドルを支える可能性もある。第一次トランプ政権時と異なり、今回は米国のインフレ率の高さが問題となっている。トランプ米大統領はドル安政策を採ってインフレ圧力をさらに高めるようなことはしないだろう。
大幅利上げか円安か
ただ、今後のドル/円相場に影響を与えるファクターの中で、日本銀行の金融政策が最も重要となってくる可能性も出てきた。日本のインフレ率は再び上昇圧力を強めている。2024年12月のコア消費者物価指数(生鮮食品を除くベース)前年比はプラス3.0%となった。日本のコア消費者物価指数前年比はこれで3年弱2%以上の状態が続いている。
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