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三菱UFJ信託銀行 資産運用情報 オルタナティブ・データ分析による投資プロセス高度化三菱UFJ信託銀行 投資顧問業務部 調査役 ヴィクター リューン
ヴィクター リューン
三菱UFJ信託銀行投資顧問業務部 調査役
カナダのウォータールー大学 数学部 コンピュータサイエンス学士課程修了。2008年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社し、エキゾチック・デリバティブ自己売買部門でトレーディング、金融商品のストラクチャリングなどに従事。2019年よりマルチアセット・ファンドマネージャー、投資戦略の策定と運用を担当。AI技術を活用して市場の動向を予測し、投資成果の向上を図る。CFA協会認定証券アナリスト。
Ⅰ.はじめに
人工知能(AI)技術は、1950年代から始まり、何回かのAIブームを繰り返しながら徐々に進化を遂げている。現在はテクノロジーの進化により、私たちの生活、ビジネス、産業などの様々な面に浸透しつつあり、世の中に大きな影響を与えていることから、2024年にはAIの専門家が初めてノーベル物理学賞を受賞するまでに至っている。また、今まで解析が困難であった膨大なデータセットを迅速かつ正確に処理することが可能となり、対話型AIを身近なものとしたChatGPTの登場を背景に、今日のAIブームの再来へとつながっている。
投資家の投資判断材料という観点では、これまでは財務報告書や市場データの分析によるものが主流であったが、現在は、新しいAI技術を効果的に活用することにより、従来は定性的にしか評価できなかったオルタナティブ・データ(後述、第Ⅱ章)を定量的に分析可能な形にすることで、より客観的な投資判断材料として利用している。
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