年金基金など機関投資家のポートフォリオにおいて、債券は運用の安定性を高めるうえで欠かせない資産だ。 一方、長引く超低金利で収益性は低下しており、組み入れには長期リターン以外の理由が求められている。 そのキーワードとして最近急浮上しているのが「ESG(環境・社会・企業統治) だ。 債券によるESG投資の現状とメリット、課題などを探る。
海外では財政ベースの低格付け債をESGの観点から見直す動きが顕著
JPモルガン・アセット・マネジメントの「2018年度企業年金運用調査結果」によると、DB(確定給付年金)の資産配分における国内債券の比率は過去最低の18.1%と、初めて20%を割った。対してオルタナティブは、過去最高の20%超えを達成した(下表)。日本の企業年金の運用予定利率は2.28%と4年連続で低下している。昨今のマイナス金利下においては、国内債券中心では2%台前半のリターン確保さえもままならないことを示している。
長期マネー主体の機関投資家のポートフォリオで、債券は運用の安定性を高めるうえで欠かせない資産だが、マイナス金利で収益性は低下している。 組み入れには、長期リターン以外の理由が求められている。そのキーワードとして最近急浮上しているのが「ESG」だ。
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