プロフェッショナルに聞く!不動産投資の潮流【第3回・ピムコジャパン】 セクターの精査がより重視される流れ
年金基金をはじめとした機関投資家のオルタナティブ運用において、安定したリターンの源泉として注目度を増す不動産投資は、新型コロナウイルス禍で下落した株式などの代替資産として、安定運用に欠かせない存在になりつつある。不動産投資の現状や展望、可能性について有識者に聞く連載「プロフェッショナルに聞く!不動産投資の潮流」。第3回では、ピムコジャパンの鈴木徹氏と武藤淳一郎氏に、注目のセクターについて話を伺った。
コロナ禍で需要が戻らない物件タイプに懸念が残る
新型コロナウイルス禍以前の日本の機関投資家による不動産投資では、セクターの選択はそこまで重視されていなかった。しかし、在宅勤務の広がりによってオフィスなど一部のセクターで回復に対する懸念が発生したことで、不動産投資の見方が変わってきている。
投資家の目線についてピムコジャパン 常務執行役員 年金・法人営業部長 エグゼクティブ バイス プレジデントの鈴木徹氏は次のように語る。
「コロナ禍の影響で、オフィスに対しては十分な需要の回復が見込めないといった懸念が根強く残っている。そのため、ファンド・オブ・ファンズなどで不動産運用を行ってきた投資家の中で、オフィスヘの投資比率が少ない戦略に注目が移ってきている。これまで以上に構成するセクターの精査が重視されているように思う」(鈴木氏)
オフィスと同時に下落が危惧されたホテルセクターは、レジャー系とビジネス系で二極化が進んでいる。空室の続いたレジャー系はコロナ後の復活を見越した設備投資向けの資金需要が旺盛で、不動産の付加価値を高めるバリューアッド型に注目が集まる。半面、ビジネス系はオンライン会議の普及により、以前の稼働率までは需要が戻らない可能性が高いという。
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