第一生命保険・日本生命保険の相次ぐ発表で話題になった生保一般勘定の予定利率引き下げに運用の見直しで対応する場合、年金基金はどのようなポートフォリオ戦略で臨めばいいだろうか。有識者の意見を基に対応のポイントを探る。
視点1 ~予定利率はこれからどうなる?~
運用環境の悪化と新資本規制が利率抑制のインセンティブに
2021年10月、第一生命が21年ぶりに一般勘定の予定利率を従前の1.25%から0.25%に引き下げると発表し、2022年4月には日本生命も1.25%から0.5%の引き下げを表明した。
かつて年金基金の資産構成の大半を占めていた同商品は、運用規制緩和や1994年頃からの段階的な予定利率引き下げなどを背景に近年その割合が低下傾向にあったとはいえ、企業年金の平均的な資産構成を見れば一般勘定は約2割と、依然存在感は大きい(図表1)。久しぶりの予定利率引き下げは企業年金に衝撃的なニュースとなった。
■図表1 企業年金の平均ポートフォリオ(2021年)
年金保険商品である一般勘定は、提供元である生命保険会社の運用成績に関係なく、契約者に対して一定のリターンが予定利率(保証利率)として保証される特徴がある。ただ近年、金利水準の低下によって生命保険会社の資産運用環境は悪化していた。
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