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マクロ経済 修正期待高まる日銀の金融政策 「予告なき突然の変更」はあり得るか
コミュニケーション不全が顕著に
米国を中心とする海外市場での市場金利上昇と円安の進行を受け、日本銀行が金融政策の修正を余儀なくされるのではないかとの見方は依然根強い。2022年4月の金融政策決定会合では、「10年物国債について利回り0.25%での指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き毎営業日実施する」との方針が明示され、0%程度とされる10年物国債金利の誘導目標に対するプラスマイナス0.25%の変動幅を変更する可能性が事実上否定された格好になったにもかかわらず、政策修正期待は必ずしも鎮静化していない(図表)。
その一因として、現行の日銀の金融政策の枠組みの下では、事前に政策修正を市場に織り込ませることが構造的に困難であり、結果的に政策が突然修正されるとの見方が台頭している可能性が指摘できる。
市場では、長期金利を政策目標とする長短金利操作(YCC)政策の下で事前に政策修正を市場に織り込ませようとすると市場金利が大きく変動してしまうため政策修正は「突然」行われる可能性が高い。「突然」の政策修正を市場参加者が想定している下では日銀の情報発信が信用されにくくなるコミュニケーション不全が生じやすい、という指摘もある。
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