今や世界中の機関投資家の一大運用テーマとなったESG(環境・社会・企業統治)に新たな風が吹き始めた。2021年の欧米で、企業年金などにさらに広く深く取り組むように促す法改正が相次いだためだ。日本への影響や関連商品のトレンドも含めて有識者に話を聞いた。
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ESG投資の先進地域である欧州のファンドマネージャーや機関投資家は、過去10年にわたりUNPRI(国連責任投資原則)を通じて責任投資へのコミットメントを表明してきた。「近年、一部の機関投資家はファンドマネージャー選定の際に責任投資へのコミットメントを必須としている。CAPZA(キャプザ)は2011年にUNPRIに署名し、ファイナンシングを行う際には、PE(プライベートエクイティ)スポンサーなどステークホルダーのPRIの年次評価も確認している」(CAPZA サステイナビリティ&インパクト部長のオーロラ・ゴーフル氏)。
CAPZAが本社を構えるフランスは、2015年に「エネルギー転換法第173条」を制定し、投資家のESGの透明性、とりわけ気候変動の規制の枠組みを初めて盛り込んだ。「2021年3月にEU(欧州連合)で導入されたSFDR(サステナビリティ情報開示に関する規則)は、このフランスの規制の影響を強く受けており、金融商品の提供者やファイナンシャルアドバイザーがエンド投資家に行う持続可能性の開示義務について、欧州で調和を図ろうというものだ」(ゴーフル氏)。
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