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REIT 価格調整局面はしばらく継続。金利と空室率の動向に注目
キャップレート上昇でNAVは減少
2021年後半から2022年に入り、REIT(不動産投資信託)の調整局面が続いている。2021年後半のREITの調整は、同年前半に大幅上昇した反動や、物件取得のための公募増資の再開による需給軟化が主な理由と考えられる。一方で2022年に入ってからの調整は、世界的な金融引き締めやウクライナ情勢の悪化による市場の混乱が主な背景である。今後のREIT市場にとってファンダメンタルズの観点から大きなポイントとなるのは、金融環境の変化と不動産賃貸市況の2点と考えられる。
世界的な金融引き締めは、REITの配当利回りの魅力を低減させるバリュエーション面での逆風となる。米国や欧州で金融政策が引き締め方向に転換することで、日本においても金利に上昇圧力がかかる。2016年以降イールドカーブ・コントロールやマイナス金利を採用する日本銀行の金融政策も、より持続可能な形に修正される可能性があり、長期ゾーンの金利には先に上昇圧力がかかるだろう。その場合、REITの配当利回りと長期金利のスプレッドが縮小することで、REITから債券へ資金がシフトする可能性がある。
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