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マクロ経済 日銀のETF保有方針の転換。市場の「観測気球」見極めに注意
密かな緩和縮小は進行中
日本銀行が異次元緩和と称されるQQE( 量的・質的金融緩和)を導入してから9年が経過し、黒田東彦総裁の任期満了まで残り1年となった。現在、海外の中央銀行は、2021年の夏頃から続く高インフレを背景に、金融緩和政策の出口戦略を進めている。日本でもコストプッシュ型のインフレ圧力が生じているが、日銀の「2%のインフレ目標」に達する見通しは立たず、非常に緩和的なスタンスが続いている。
ただし日銀は、将来的な出口に向けて、ETF(上場投資信託)買入政策のステルス・テーパリング( 密かな緩和縮小)を既に開始している。具体的には、2021年4月から原則的な買入ペースの目途がなくなり、買入額を柔軟に減らせるようになった。実際、それ以降、ETFの買入額が急減している。こうしたなか、株式市場では、黒田総裁の退任前にETFの出口戦略が進展するかが大きな焦点となっている。
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