新型コロナウイルスの変異株やインフレ、中国経済の台頭など、巨大なリスクが金融市場を揺らしている。
中長期の運用を手掛ける投資家にとっても無視できないこれらのリスクにどのように対応すればいいのか。
シンクタンク、コンサルティング会社、証券会社のそれぞれの有識者に、足元で注目されるリスクとの向き合い方について聞いた。
モノ不足は短期間で解消見込み。ヒト・エネルギーの不足は長期化の懸念
2020年に新型コロナの拡大が世界を混乱の渦に巻き込んでから、早くも2年が経過しようとしている。この間、社会は大きく変容し、コロナ前と比較して多様な不確実性が支配するようになった。将来の経済の動きを見通し、適切な投資判断を下す必要のある機関投資家にとって、難しい局面が続く。図表1は、ニッセイ基礎研究所 経済研究部 准主任研究員の高山武士氏がまとめた「中長期的な運用リスク」の概観図だ。同図は色の濃い項目を「現在顕在化しつつあるリスク」、薄い項目を「潜在的なリスク」に分けている。これを見ると、足元で注目されているリスクの中では、投資家にとってはネガティブなものが目立つようだ。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。