米国金利上昇とドル高が新興国を直撃
2021年11月発表の米国PPI(生産者物価指数)が、前年同期比9.6%と2010年以降のヒストリカルハイをつけ、すでに一過性のインフレとはいえない状況にある。FOMC(米連邦公開市場委員会)の文言から一過性のフレーズが消えたのももはや当然である。
米国の金融政策は、緩和から引き締めへの転換点を迎え、資産買い入れ額の縮小ペースを二倍速で落とし、月間150億ドルの縮小額を300億ドルへ――。従前は2023年まで資産買い入れ自体は続くため、FRB(米連邦準備理事会)のバランスシートの削減自体は2023年になるとさえ考えられていたものが、資産買い入れ縮小が始まるや、このスピードの加速。これにより、2022年の早期のうちに、バランスシートの削減が始まる確率が高まったといえる。そうなれば、クレジット市場にも影響が出てくると考える。
2013年のテーパータントラム(量的金融緩和の縮小をめぐる市場の混乱)の際にも経験したことであるが、米国金利上昇とそれに伴うドル高により、新興国からの資金流出も避けられないであろう。
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