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Lean or Clean? 習近平主席のバブル潰しとドル円相場
- 日本のバブル潰しは、実施開始8年半後に金融不安
- 中国の負債はバブル潰し開始と同時に減少に転じた
- 日本研究と共産党一党支配が中国のLeanを成功に導く
- 中国の金融不安によりドル円には予想外の上昇の可能性
各国の金融当局は日本の失敗例を踏まえてClean支持
筆者の予想通り、2021年11月中旬において、ドル円相場は10月20日に付けた高値水準近辺で推移している一方、ユーロ円とポンド円は、高値から2~4%下落して10月上旬の水準まで値を戻した。我が国におけるインフレの兆候、英国の利上げ見送りと第3四半期のGDP(国内総生産)、ドイツでの感染拡大とECB(欧州中央銀行)の慎重姿勢、6%上昇となった米国10月の消費者物価などがその背景である。
経済学では、資産バブル対策に関してLean(事前的対応)とClean(事後的対応)を巡って意見が分かれている。ただ現実的には、我が国における失敗例なども踏まえて各国の金融当局はCleanを支持している。そのような中、中国が2020年夏以降Leanを実践し、今秋には恒大集団のデフォルト懸念が世界の金融市場を震撼させた。今後の中期的な為替市場動向を占ううえで、中国によるバブル潰しの成否は最重要テーマの一つである。
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