Asset Watch 年金基金とベンチャー投資 ~新たなリターンの可能性~ 第1回 国内VCの開示データが充実、市場の透明性高まる
ここ数年、国内特化型のPE(プライベート・エクイティ)ファンドやVC(ベンチャーキャピタル)ファンドの運用資産残高が増加し、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)なども注目している。年金基金の投資先として「新興企業」は定着するか。新たなリターン獲得やポートフォリオの分散先としての可能性を、日本銀行 調査統計局 経済統計課 企業統計グループの鷲見和昭氏に聞いた。
※本記事は個人の見解であり、所属先の意見ではない
米国のVCへの資金提供の4分の1は年金基金で、日本は1%未満
近年の国内のVCによる投資額と件数は、2020年の新型コロナウイルス禍の影響で一時的に低下がみられたものの増加基調にある(図表1)。しかし、米国や中国といった他の主要国と比べると国内VCの市場規模は小規模にとどまっている。日本銀行 調査統計局 経済統計課 企業統計グループの鷲見和昭氏は、「国内投資規模を名目GDP(国内総生産)で基準化すると、日本は米国の26分の1、中国の10分の1以下と小さく、その分成長余地はある」と述べる(図表2)。
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