アレックス・フルー・マクミラン(Alex Frew McMillan)
香港を拠点に20年あまりにわたりジャーナリスト活動を展開。ニューヨーク・タイムズやインターナショナル・ヘラルド・トリビューン、フィナンシャル・タイムズ、サウス・チャイナ・モーニング・ポストのほか、アジアン・インベスターなどの雑誌媒体でも執筆。
強気筋は、アジア株をオーバーウェイト推奨
アジア株式の2016年の幕開けは、1月4日の中国株式市場で上海総合指数が約7%急落するなど波乱に満ちていた。しかし、10月中旬現在では、年初来安値と比較すると、上海が約16%高、東京(TOPIX)が約13%高、香港(ハンセン)が約31%高で推移している。一部の強気筋は、アジア市場の多くの先行きが明るいとして、株式への資産配分ではアジアのオーバーウェイトを推奨している。
年初から厳しい環境下にあったアジア新興国市場はアウトパフォームに転じてきた。そのことは特に最近の経済データからも明らかである。中国経済のクラッシュ(崩壊)は、2015年末の市場懐疑派による予測に反して起きていない。10月初めに中国政府が発表した9月のPMI(製造業購買担当者景気指数)は50.4で8月と変わらず、中国経済が小幅ながら拡大傾向を維持していることが示唆された。
日本株は終値で見ると、2016年に入って以来、大発会の水準を一度も超えていない。しかし、6月に年初来安値まで下げたあとは、安定傾向にある。10月中旬時点では、1月4日の年初来高値をまだ12%下回っているものの、下半期に入ってからに限ると、これまでに約7%上昇している。
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