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緩やかな上昇に転じる米国長期金利とドル高
- インフレ高進の中、米長期金利は謎の下落
- 政府預金残の大幅減により資金余剰が増大
- リバースレポの実施が長期金利低下に寄与
- 緩やかな長期金利上昇がドル高を招来
インフレ高進の中、米長期金利は謎の下落
米国の長期金利(米国債10年物)は、米景気回復を受けて2020年8月初めの0.52%を底に上昇し、2021年3月末には1.74%に達した。しかし、4月以降もインフレ指標は上昇を続ける中で長期金利は下落基調に転じ、8月初めには1.19%まで下落してドルの上昇を抑制したと考えられる。
政府預金残の大幅減により資金余剰が増大
2020年7月末~同9月上旬の資金需給をみると、Fed(連邦準備制度)は政府預金残が1.59兆ドルも減少したことによる短期金融市場における金利低下圧力を相殺するために、1.19兆ドルのリバースレポを実施している。ただ、政府預金残の減少とリバースレポの実施にはタイムラグがあり、両者の残差(政府預金残減-リバースレポ残)による市中の資金余剰額は2月中旬以降急増し、4月上旬には0.8兆ドルに達した。
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