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マクロ経済 コロナ禍収束で際立つインフレ格差。日銀は追加緩和余地を確保できるか
米国は「リフレ・トレード」の図式
2021年5月12日公表の米国4月分CPI(消費者物価指数)が市場予想から大きく上振れた。
元来、2020年春の新型コロナウイルス感染症急拡大の影響で、インフレ率が大きく減速した局面との比較になるため、特に前年比では高めのインフレ率が現実化する可能性があると考えられてきた。しかし、そうした予想以上にインフレが加速した背景には、①世界的な半導体不足などの供給制約を反映した、新車、中古車、家電製品などの想定以上の値上がり、②ワクチン接種進捗によるサービス需要急回復期待を反映した宿泊料、航空運賃などの値上げの動き――があったと考えられる。
もっとも、2021年4月の米国CPIを含め、足元までのインフレ加速に対する米国市場金利の反応は、現段階では限定的である。CPI公表当日こそ、財務省証券10年利回りは1.7%台をうかがう上昇を見せたが、同年5月14日には、CPI公表前とほぼ同レベルの1.6%台前半に戻った。
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