影響は英国、欧州に限定との見方が主流
英国が2016年6月23日の国民投票でEU(欧州連合)からの離脱(Brexit)を選び、世界に衝撃が走った。投票結果は、コメンテーター、市場関係者、資産運用者にとって予想外だった。離脱の実際の影響、英国およびEUの将来についての分析と理解は現在も続いている。しかし、離脱の影響が英国と欧州にとどまるだろうというのが多数意見となりつつある。
開票が始まり、間もなく離脱派の優位が伝えられると、新たな世界金融危機への懸念が広まり始めた。24日未明(現地時間)に離脱派勝利が確実というニュースが流れると、後場開始直後の東京株式市場では日経平均株価が約10%も急落した。外国為替市場では、英ポンドが米ドルに対して31年ぶりに安値をつけた。英国の銀行株は最大30%まで暴落した。
しかし、各市場とも比較的に短時間で落ち着きを取り戻し、Brexit損失の一部を回復した。例えば、日経平均株価はその後数日間で4.9%上昇している。その背景の一部に、イングランド銀行が24日の声明で英国金融市場の支援のために資金供給の用意があると発表したことがある。同時に、離脱が世界のほとんどの国・地域に直接影響をもたらす恐れはなく、世界金融危機の引き金になることもないという認識が広まったことで、市場は早期に冷静さを取り戻した。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。