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マクロ経済 FRBの拙速な出口戦略など、警戒すべき4つの金利上昇
QQEから8年後の株価大台
日本銀行が「量的・質的金融緩和(QQE)」を導入したのは、2013年4月4日であった。日本経済がデフレ状況から抜け出し、2%のインフレ目標を早期に実現するため、同年3月に就任した黒田東彦総裁の下で大胆な金融政策が打ち出されたのである。日本銀行は、その後も追加の金融緩和策を相次いで打ち出してきたが、インフレ目標に届かない状況が続いた。
こうした中、2020年に未曽有の新型コロナウイルスのパンデミックが発生し、日本銀行をはじめとする中央銀行の最優先課題は景気下支えのための金融市場の安定化策や企業金融支援策へと大きくシフトすることとなった。
政府の非常に大規模な財政出動と足並みを揃える形で、中央銀行は国債や社債などを積極的に買い入れて金融市場に大量のマネーを供給し、バランスシートは過去にないペースで拡大した。
実際、日米欧の中央銀行の総資産対名目GDP( 国内総生産)比は、新型コロナ危機により世界的に生産活動が急激に落ち込む中で大幅に上昇し、その上昇幅はリーマン・ショック後の世界景気後退局面を上回った(図表)。また、日本銀行の総資産対名目GDP比が、QQE以降の大胆な金融政策を背景に欧米を大きく上回るペースで上昇していたことも注目される。
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