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マクロ経済 2021年度のドル円相場は綱引き状態ながらも円安バイアス。為替は「達磨さんが転んだ」、鬼はいつも米国だ
「達磨さんが転んだ」、2021年度は円安・円高の綱引き状況だが円安優勢
筆者が長年、為替について説明するときに用いてきた表現が「達磨さんが転んだ」である。「達磨さんが転んだ」とは子供の遊びであり、鬼が振り向くと参加者の方向が一転することを指す。ここで筆者が言いたかったのは、為替市場ではいつも「鬼」は米国であり、米国の思いのままに為替の方向が決まってきたとする経験則だ。
ドル円相場は本来、米国と日本の双方の要因で決まるはずだが、歴史的に見ると大きな転換点はいつも米国サイドの要因で決まってきた。以下の図表1は戦後、70年余のドル円相場の推移である。歴史的にみて大きな転換はいつも米国サイドの要因によるものだったことが分かる。2021年度を展望したドル円相場は、以上の米国中心の「達磨さんが転んだ」の中で、円安要因と円高要因の綱引き状況ながらも、やや円安バイアスが強いと展望している。その要因を以下で説明したい。
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