このところの欧州は景気回復期待に溢れている。ユーロ圏のGDP(国内総生産)は2020年10-12月改定値が、前期比0.6%減で市場予想0.7%減より多少だが上振れしている。2月分のドイツZEW期待指数は71.2に上昇、前月の61.8も大きく上回った。6カ月先を見通した上での指数となるが、夏以降の新型コロナウイルスワクチンの普及と正常化を見据えての好転期待の表れに他ならない。2021年後半には成長が加速するという見方は、半ばエコノミスト業界のコンセンサスになりつつある。
欧州は米国に比べると情報が少ないためか、あまりリスクファクターに上がってこない。もっとも、ブレグジットのような世紀のイベントであっても、現在のマーケットは織り込み済みとして処理してしまう力があることでリスクが見えなくなっているだけかもしれない。定点観測はしておく必要がある。今般は欧州のリスク要素につき、5点見ていくことにする。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。