会員限定
マイナス金利を乗り越える年金運用 第3回 限界がささやかれる4資産区分。時価比を大きく超えた日本株保有は再考を避けられないグローバル視点での運用判断
パッシブ運用者に不向きな為替ヘッジ付き外債
2020年4月からGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、新しい中期計画期間に入った。その際に、基本ポートフォリオを見直している。かつてのような劇的な配分変化ではなかったが、図表1のように国内債券への配分を減らし、外国債券へと振り向けている。従来の基本ポートフォリオでも債券(国内債券および外国債券)と株式(国内株式および外国株式)の比率は50対50であったが、その比率は維持しつつ、債券の内部で国内から海外へとシフトしたものである。結果として、外国証券(外国債券および外国株式)への投資比率は50%に達した。
以前から、為替ヘッジを付した外国債券投資はリスクおよび投資パフォーマンスの観点から国内債券の区分に含まれており、引き続きその方針が維持されるため、会計分類上の外国債券への配分は25%を越える可能性が高い。外国債券をほぼ完全に為替ヘッジすることによって、実質的に国内債券と同等の投資効果を得ることは、おおむね為替の金利平価説に基づく考え方であり、実際でも近似的な効果を得られることは確認されているが、組み入れる債券種類や為替ヘッジコストなどの問題があって、完全に国内債券投資と同じものにはならない。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。