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年金運用とマーケットの研究 カナダ年金制度投資委員会(CPPIB)-グリーンボンド、レバレッジ、CPP改革-
カナダ年金制度投資委員会(Canada Pension Plan Investment Board:CPPIB)は、ケベック州を除くカナダの公的年金制度であるカナダ年金制度(Canada Pension Plan:CPP)の積立金を運用する独立政府機関で、2020年3月末の運用資産残高は4,096億カナダドルとなっている。
グリーンボンド発行体
ESG投資への関心の高まりから、年金基金によるグリーンボンドへの投資は活発に行われているが、CPPIBはグリーンボンドの「発行体」でもある。
CPPIBでは、2018年にグリーンボンド・フレームワークを策定し、2018年6月に額面15億カナダドルの10年債、2019年1月に額面10億ユーロの10年債、2019年12月に額面5億米ドルの1年変動利付債、2020年3月に額面10億ユーロの7年債と、定例的にグリーンボンドを発行してきている。
債券の発行体は100%子会社のCPPIBキャピタルで、Moody’s:Aaa、S&P:AAA、DBRS:AAAと3つの格付機関から最上位の信用格付を得ている。
なお、日本では年金基金が債券を発行することは想定しづらいが、カナダではCPPIBに限らず、OMERS、OTPP、PSPIBなど他の大手の年金からも債券発行が見られている。
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