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マクロ経済 世界的な景気後退は回避の見通し。米利上げ休止は安定化要因になる
中国経済の減速が欧州に影響
世界経済全体は、2018年に緩やかな景気減速局面に入ったと判断できる。減速の起点となったのは中国経済である。中国では、2017年10月に開催された共産党全国大会を見据えた政策的な建設・住宅投資が一巡するとともに、従来から課題とされてきた過剰生産能力の調整や、資産市場の過熱懸念を背景とした信用拡大の抑制に政策的な舵が切られた。
これに加えて、スマートフォンを中心とする電子機器の循環的需要鈍化が、中国における電子製品の生産活動減速を招いた。電子製品の需要・生産の減速は、同製品の供給網を通じて、電子部品の生産・供給を担う日本を含めたアジア周辺国へと波及したと見られる。
また、中国経済の減速は、中国の最終需要に比較的強く依存しているユーロ圏経済の鈍化にも結びついた。これまで活発であった同地域の設備投資にもブレーキをかける格好になったといえる。
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