米国株が2段階で大幅下落

井出 真吾
ニッセイ基礎研究所
主席研究員 チーフ株式ストラテジスト
井出 真吾

トランプ関税が株式市場を揺さぶっている。米国株は2024年11月の米大統領選後も順調に上昇を続けてきたが、2025年2月下旬から4月に大幅下落となった。S&P500は直近の高値から一時18.9%下落して5000ポイントを下回り、同様にNASDAQ指数は一時23.9%下落した。

当然この影響は日本株に波及した。日経平均株価は年明け以降に一時4万円を回復していたが、米国株の下落に連動して4月7日の取引時間中には一時3万1000円を下回り、令和のブラックマンデーと呼ばれた2024年8月5日の水準を下回る場面もあった。

よく見ると米国株は2段階で下落した。まず2025年2月下旬の下落は米国でインフレ懸念が再燃したことや、景況感や個人消費などの米経済指標に弱い内容が散見されるようになったことが主な背景だ。トランプ大統領がメキシコ、カナダ、中国を対象とした追加関税に積極的な発言を繰り返していたこともあって、金融市場ではスタグフレーション懸念が高まり、AI(人工知能)や半導体関連など米ハイテク株バブルの崩壊に繋がった。

株価は2ケタ下落した後、3月後半にいったん持ち直した。ところが4月2日に発表された相互関税の内容が大方の予想よりも非常に厳しい内容だったことを受けて、株式市場は世界的な景気後退を本気で心配せざるを得なくなった。いわゆるトランプ関税ショックである。

不透明感が極めて高い業績見通し

今後の日本株を見通すうえで重要になる日本企業の業績動向を確認しよう。TOPIX(東証株価指数)構成2月・3月決算企業のうち、5月16日時点で2025年度の会社予想およびQUICKコンセンサス予想がある744社について集計したところ、市場予想(QUICKコンセンサス予想)ベースだと2025年度の予想純利益(合計額)は2024年度比0.6%増益だ。一方、会社予想ベースは8.0%減益と厳しい内容だ。

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