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REIT オフィス、商業施設の成長は鈍化へ。住宅や物流施設の下落は限定的
運営状況に連動する変動賃料
2019年は世界的な金利低下を追い風に、REIT(不動産投資信託)は良好なパフォーマンスを残した。2018年は割安感を背景に海外投資家が主な買い手だったのに対して、2019年は海外投資家に代わって、地銀などの国内金融機関が利回り追求を目的に積極的にREITに投資した。2020年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大によって資本市場が世界的に混乱しており、REITは株式とともに調整色を強めている。
新型コロナ問題は短期的に収束する可能性は低く、2020年前半は新型コロナ問題の直接的な影響によって市場のリスク許容度が低下した環境が続くだろう。REITの値動きも当面ボラタイルに推移すると考えられ、高い配当利回りが大きな魅力であるREITにとっては厳しい環境となる。
REITは収益の大半を賃貸収益に依存しており、収益構造は非常に安定している。新型コロナ問題で短期的に収益に影響がある資産タイプはホテルだけである。ホテルREITの場合は収入の3~4割が運営状況に連動する変動賃料であり、客室稼働率や宿泊単価が下落すれば賃料減少に直結する。新型コロナ感染の収束が見えてくるまでは、収益回復は期待薄である。また、オリンピックの中止あるいは延期の可能性も浮上しており、この点もホテルREITには重しとなろう。
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