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J-MONEYカンファレンス「2025年どうなる世界経済 どう見る日本経済と金融政策」 【特別講演】米国経済は減速の一方、 景気後退リスクは低い
J-MONEYカンファレンス「2025年どうなる世界経済 どう見る日本経済と金融政策」が2024年10月30日、東京・日本橋のベルサール東京日本橋で開催された。第一生命経済研究所の藤代宏一氏が「世界をけん引する米国経済は引き続き堅調で、景気後退の可能性は低い」などと特別講演を行った。その模様をダイジェストでお伝えする。
企業収益引き続き拡大。日本経済は堅調に推移
私はWEBサイトでほぼ毎日レポートを執筆しており、マーケット全般の見通しを常時「基本予想」として載せている。本日もそれにならい、【図表1】でお示しする。
【図表1】藤代宏一氏の「基本予想」
◆日経平均株価は先行き12カ月4万2000円程度で推移
◆ドル円相場は先行き12カ月145円程度で推移
◆日銀は今年(2024年)12月に政策金利を0.50%に引き上げ、2025年末までに1.00%へ到達
◆ FRB(米連邦準備理事会)はFF(フェデラル・ファンド)金利を2025年末までに3.50%、2026年末までに3.00%へ引き下げ
◆ドル円相場は先行き12カ月145円程度で推移
◆日銀は今年(2024年)12月に政策金利を0.50%に引き上げ、2025年末までに1.00%へ到達
◆ FRB(米連邦準備理事会)はFF(フェデラル・ファンド)金利を2025年末までに3.50%、2026年末までに3.00%へ引き下げ
日経平均の「4万2000円」という見通しについて。企業収益が引き続き拡大しており、日本経済は堅調に推移すると見ている。しかし、より重要なのは米国経済だ。米国の景気が世界の金融マーケット全体に影響を与えるのは否定しようもない事実。要は、米国が景気後退に陥るかどうかの見極めが大変重要になってくる。
私の結論としては、米国は景気後退には至らない。多くのエコノミストも同様に主張しているが、確率的には8割ぐらいの確度でソフトランディングする。多少景気は減速するが、インフレは沈静化し「大惨事」にはならない。景気後退は「GDP(国内総生産)が四半期連続でマイナスになること」が定義だが、まず考えにくい。
為替の「1ドル= 145円」というのは、ドル円が140円のときに書いた数字で、「そんなには円高にならないと思う」という水準。つまり私自身は、市場参加者の平均よりも円安寄りの予想をしている立場だ。したがって今の153円という数字にも違和感はない。
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