マニュライフ・インベストメント・マネジメント カーボンクレジットの獲得を主眼とする森林投資による気候変動対策へのインパクト
長年、森林や農地といった自然資本を対象とする戦略を機関投資家に提供してきたマニュライフ・インベストメント・マネジメント(マニュライフIM)。同社は近年、気候変動対策へ積極的に取り組む投資家向けに、従来とやや異なる仕組みの森林投資戦略を組成したという。同戦略を運用するマニュライフ・インベストメント・マネジメント・ティンバーランド・アンド・アグリカルチャー(MIMTA)の担当者2名が来日した折に、同戦略について話を伺った。
材木生産→売却ではなく、CO2の吸収・貯留を重視
2022年に設定した新たな森林投資戦略『フォレスト・クライメート戦略(以下、FCF)』と、MIMTAについて教えてほしい。
タン 従来型の多くの森林投資は、木材生産による経済的リターンの獲得を目的としている。一方で『FCF』は、取得した森林を持続可能な方法で管理することで森林の二酸化炭素(CO2)貯留量を最大化し、高品質なカーボンクレジット(以下、CC)を創出することを主眼に置いた戦略だ。具体的には、北米を中心としてグローバルに森林へ分散投資を行っている。投資後は、従来までの商業林としての管理から、森林の潜在的なCO2吸収・貯留能力を最大限に引き出す管理へと変更する。
当戦略は、マニュライフIMが抱える森林・農地投資に特化した運用部門であるMIMTAが運用を担う。MIMTAは森林アセットで世界最大となる約120億米ドルのAUM(運用資産残高)を誇り、森林管理やCCの発行について、国際的に認められる第三者基準に基づいて実施している。例えば保有する全ての森林はFSC(森林管理協議会)基準に則っており、発行済みのCCについてはACR(American Carbon Registry)、VCS(Verified Carbon Standard)などの認証機関から認証を取得している。
少なくとも2050年まではカーボンクレジット価格は上昇か
どのような投資家が『FCF』に出資しているのか。
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