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知りたい!隣の企業年金・第25回 G&Eみらい企業年金基金――ガスと印刷、異業種が合併〜担当コンサルから常務理事に転身、初のケースを提案・推進
今回は、G&Eみらい企業年金基金を取材しました。コミュニティーガス(旧・簡易ガス)事業と印刷業という全く異なる業種の総合型DB(確定給付企業年金)が合併した初のケースです。大槻洋子(おおつき・ようこ)常務理事から伺ったのは、企業年金の歴史としても、「個人史」としても稀有なストーリーでした。
G&Eみらい企業年金基金の概要
- 所在地/東京都港区芝大門1丁目
- 設立年月/2016年4月
- 事業所数:199
- 資産総額:49億円
- 加入者:4949人 受給者:510人
- 予定利率:1.5%(2025年4月から2.0%に引き上げ)
- 期待運用収益率:2.3%(予定利率と連動して0.7~0.8%上乗せ想定)
(いずれも2024年3月現在)
合併も常務理事のキャリアも異例
この連載でさまざま企業年金、いろいろなキャリアの運用責任者にお会いしてきましたが、今回が最もレアケースのような気がします。多少予告編的に紹介させていただくと、①異業種の総合型DBでは初めての合併②当該基金を担当していた年金コンサルタントの大槻さんが常務理事に転身。さらに総合基金の基盤強化策として合併を提案実施③大槻さんはNHKの番組ディレクターからスタートして、今の職場が8つ目――という次第。後でいきさつなど、じっくり伺います。その前にまず、コミュニティーガス事業とは何ですか。
1つの団地で70戸以上にLPガスを供給
大槻 あまりなじみがありませんよね。簡単にまとめるとコミュニティーガス事業とは「充填所など簡易な設備でガスを発生させ、1つの団地(供給地点群)において、70戸以上のガス需要家に対し、導管でガスを供給する小売事業」のことです。【図表1】がイメージ図です。中規模のガスタンクから、地中に埋設されたパイプを通じて各戸に供給する仕組みです。都市ガスなどと違って全体が小規模なので、災害時の復旧が早いといったメリットがあります。
【図表1】コミュニティーガスのイメージ図
「中小企業だって、ちゃんと考えている!」
そもそも企業年金コンサルタントだった大槻さんがなぜ、コンサルを受ける側の基金に転職されたのですか。
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