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世界の投資環境を変えるアジア太平洋地域のネットゼロへの取り組みMSCI 会長兼CEO ヘンリー・フェルナンデス
日本は気候ファイナンスとクリーンエネルギー研究における世界的リーダーに
米国における記録的な石油生産、電気自動車の販売台数の減少、ネットゼロ政策に対する政治的反発、そして一連の世界的危機の中で、気候変動対策への取り組みが失速しているとの懸念が高まっています。このような気候変動対策に対する悲観的な見方は、政府や産業界が勢いを取り戻さない限り、自己成就予言となりかねません。
各国の政府は脱炭素化にインセンティブを与える政策を打ち出す必要がありますが、民間部門は政府が行動を起こすのをただ待っているわけではありません。スタンフォード大学とMSCIサステナビリティ・インスティテュートが主導した最近の調査によると、世界の投資家の圧倒的多数が、既に投資判断において気候変動や炭素の排出を考慮していることが分かりました。しかし、気候変動リスクが現在の資産価格に大方反映されていると考えている投資家はわずか4%に過ぎません。
このことは、あらゆるアセットクラスにおける気候変動のリスクと機会の全範囲を示すデータとソリューションを提供する役割を担うMSCIのような投資サービスプロバイダーにとって重要な課題だといえます。ネットゼロを実現した世界経済への移行には、投資・金融業界が主導する史上最大の資本の再配分と資産の再評価が必要です。
世界が緩和と適応の両立を目指す中、気候関連投資は地域によって状況が異なります。しかし、アジア太平洋(APAC)では、気候をテーマにした投資が既に重要な焦点となっています。
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