経済は建設的な成長見通しとなっている 一方、グローバル株式市場のバリュエーションは引き続き割高な水準にあるとみています。ディスインフレが上下しながらも継続していることは、今はポートフォリオで積極的なポジションを取るタイミングではないことを示唆しています。グローバル株式はグローバル債券よりも高いパフォーマンスを上げる可能性があるとみていますが、資産配分は6月にシフトした中立スタンスを維持しています。また、各国の金融政策は引き続き分岐しており、これを踏まえて高格付け債券を選好しています。欧州国債は引き続き魅力的であり、緩和サイクル開始の恩恵を受ける可能性が高いと予想しています。

本記事はフランクリン・テンプルトンが毎月公表するレポート「アロケーション・ビュー」からの転載です

元レポートでは、アロケーション設定の参考になる各アセットクラスの見通し一覧もご覧いただけます。
▶レポートページはこちら:https://www.franklintempleton.co.jp/market_info/global/letter/26671.html

当社の見解を後押しするマクロ・テーマ

■建設的な経済成長

景気先行指標は世界的な経済成長の継続を示唆しています。
景気後退リスクは、一部先進国では過去のものとなっており、特に米国において低くなっています。
景気は安定しつつあるものの、成長率は依然として長期トレンドを下回っています。

■インフレリスクがさらに均衡

インフレは上下しながらもディスインフレに向け大きく進展しましたが、中央銀行の目標水準を依然上回っています。
サービスインフレは高止まりしていますが、労働市場のひっ迫により比較的緩やかに減速していくと予想されます。
コア財のインフレ率はすでに正常化していますが、コモディティ価格の上昇がこれを相殺する可能性があります。

■政策サイクルの乖離

より多くの中央銀行が近く利下げを開始する可能性が高いものの、その結果は各国間でより大きな差が出る可能性が高いでしょう。
インフレの進展により、政策当局は経済成長とインフレの2つの目標のバランスをとる余地が生じています。
中央銀行は慎重な姿勢を崩しておらず、経済データでディスインフレの確証を得た後に、次の政策措置を取るものと思われます。

2024年上半期の株式パフォーマンスは「好調」の一言に尽きるでしょう。世界的な経済活動の継続的な拡大に支えられ株式市場では楽観的な見方が支配的となっていますが、資産全体ではリスクが均衡していると見ています。インフレの正常化はごくゆっくりとしか進まないとの見方は、債券のリスクも浮き彫りにしています。このため、当社は資産配分において、6月に採用した中立のスタンスを維持しています。

株式市場の足もとの環境は、特に健全なものではないとみています。人工知能(AI)の有力企業に対する楽観的な見方にけん引され、株式バリュエーションはますます高騰し、センチメントは幾度も熱狂的な水準に達しました。ユーロ圏の回復と持続的な経済成長が企業業績を支えているにもかかわらず、株価上昇は少数銘柄主導の広がりに欠けるもので、グローバル株式は調整局面に陥りやすくなっています。50日移動平均1を上回っている銘柄の比率は、わずか過去6週間で67%から43%に低下しています(図表1)。最近のアロケーション・ビューで指摘したとおり、経済成長に対するポジティブな見方がバリュエーション懸念を凌駕するのは普通であり、AI銘柄主導の爆発的ラリーが続くリスクがあることから、ダウンサイド・プロテクションを活用することは理にかなっていると思われます。

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