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インタビュー インベストメントチェーン全体を俯瞰してフィデューシャリー・デューティーを“再構成”金融庁 総合政策局 審議官 柳瀬 護氏
2023年12月、政府は官民を挙げて日本の資産運用業界の活性化を目指す「資産運用立国」実現のためのプランを策定した。同プランで運用会社やアセットオーナー、事業会社にどのような役割が期待されるのか、金融庁 総合政策局の柳瀬護審議官に話を伺った。(インタビューは2023年12月26日)
業界の垣根を超えて運用人材を確保・育成
政府の「資産運用立国実現プラン」に資産運用業界からも注目が集まっている。
柳瀬 最初に述べておきたいことは、家計の金融資産などの運用を担う資産運用業界の重要度の高さだ。日本の資産運用が全体的に成熟してきている中、蓄積してきた金融資産をどのように運用し、それを国民に分配していくのか、そして投資先の企業の活動を改善していくのか。同業界には、多面的かつ非常に大切な役割があると考えている。
その重要性に鑑みて、資産運用立国実現プランでは、運用会社やアセットオーナーの運用力向上や、運用に対する認識の改革に向けた取り組みをまとめている。
■資産運用立国実現プラン(資産運用業・アセットオーナーシップ改革の分野)
10年ほど前から資産運用業界に浸透してきたフィデューシャリー・デューティー(受託者責任)に基づいた資産運用と、資産運用立国実現プランで求められる資産運用とは何が異なるか。
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