ボラティリティが高い半面、リターンの源泉や分散投資の基盤としての重要な役割が期待される株式。国内外の株式市場の動向や注目のセクターについて有識者に聞いた。(記事内容は2024年2月15日時点)
米金融緩和への期待感は株式市場に追い風
日本では多くの機関投資家が、安定的な運用を志向して債券を中心としたポートフォリオを構築している。ただ、現在の日本の10年国債の年利回りは約0.7%で、外国債券は為替リスクをヘッジする場合、例えばドル円では現状年5%ほどで高止まりしているヘッジコストを上回るキャピタルゲインを得られなければプラスリターンになり得ない。インカムゲインの観点だと、「リターン=利回り-ヘッジコスト」であるため、足元ではマイナスになってしまう現状にある。
このように債券運用中心のポートフォリオで金利リスクに見合うリターンがなかなか得られづらくなっている中で、機関投資家のポートフォリオ戦略におけるリターンドライバーとしての重要性が高まっているのが、株式だ。
2024年に入り良好なパフォーマンスを見せているグローバル株式市場について、マーサー・インベストメンツ マルチアセット運用アジア責任者のキャメロン・シスタマンス氏は、2023年10月ごろからマーケットのムードに変化が見られたと明かす。
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