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マクロ経済 景気底入れと金利下げ止まりを世界経済の“日本化”が阻む
製造業改善と米利下げ休止
グローバル全体の景気循環は、2019年夏場前後に、2017年末を起点とする循環的減速の終盤を迎えたと判断される。グローバル製造業PMI(購買担当者指数)は、2019年7月をボトムに同年11月まで4カ月連続で改善を記録した。グローバルな製造業生産活動の減速を終わらせる原動力となったのは、主として、ICT(情報通信技術)関連財の在庫調整の終了と見られる。日本の電子部品・デバイス工業の出荷在庫バランス(出荷の前年比から在庫の前年比を控除)は、2019年半ば以降大きく改善した。
2019年8月に生じた世界的金利低下の流れを反転させるもう一つの大きな要因となったのが、FRB(米連邦準備理事会)による利下げ休止である。米利下げ期待後退と軌を一にして、日本銀行やECB(欧州中央銀行)など主要地域中央銀行の追加金融緩和期待が鎮静化に向かっただけでなく、同年12月にはスウェーデン中央銀行がマイナス金利政策の解除に踏み切った。
2019年末に向け、日本の10年国債利回りが同年1月以来となるプラス圏に浮上したのは、単に追加金融緩和期待が鎮静化したからだけではなく、マイナス金利政策を含めた現行の金融政策の枠組み全体の見直しが2020年にもスタートするのではないかとの思惑が浮上したからでもあろう。
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