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マクロ経済 半導体サイクルは回復傾向へ、日本は財政拡大で主要国に先行
先進国は景気回復が終焉か
世界経済は、2019年中世界経済を覆った2つの不確実性、すなわち米中貿易戦争と英国によるブレクジット(EU[欧州連合]からの合意なき離脱)が、少なくとも短期的には緩和したことで、再び循環的な景気回復をたどりつつある。世界的な生産・在庫調整の契機となった半導体サイクル(データエコノミーの隆盛を背景とした過剰投資と、2018年以降の加速度的な調整)についても、これに先行する傾向が強い日本のIT(情報通信)関連財における出荷・在庫バランスの改善に象徴されるとおり、最悪期を脱しつつある。先行きについても、5G(第5世代移動通信システム)関連投資などにけん引されるかたちで回復基調をたどる可能性が高い。
世界的に構造的な要因による低インフレ環境が持続する中、主要先進国における金融政策運営は追加緩和へのバイアスを内包しつつ、現状の金融緩和状態が長期にわたり維持されるだろう。循環的な景気回復と超金融緩和により、株式を中心としたリスク性資産価格は当面は堅調に推移することが想定される(適温経済[Goldilocks]相場)。
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