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福島第一原発の処理水放出と中国による日本産海産物の全面輸入停止今後の対中投資への影響は?
広がる混乱
日本が福島第一原発の処理水放出を開始したと同時に、中国は日本産海産物の全面輸入停止を開始した。既に影響は多方面に出ている。
例えば、日本国内の関係機関には中国から無言や脅迫じみた電話が相次ぎ、嫌がらせ行為が横行している。中国向けに海産物を輸出してきた海産業者たちからは、売り上げの7割から8割が中国だとし、今後の売り上げへの悪影響は避けられないと混乱が広がっている。
また、中国にある日本人学校や日本領事館などには卵や石が投げ込まれ、日本を批判する落書きも発見されたという。
日中間も“米中貿易摩擦”化するのか
中国が全面輸入停止にした背景は少なくとも2つある。1つは、中国国民の反政府感情の矛先を日本に向けさせるためだ。
中国では若い世代を中心に格差や失業、経済成長率の鈍化などが問題となり、国民の反政府感情が強まっている。習近平政権としてはそのトーンを落とす必要があり、今回“処理水から国民を守る”という形で日本産海産物を全面輸入停止し、これまでの不満の矛先を日本に向けさせる狙いがあった。
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