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マクロ経済 世界の金利は超長期年限まで、ゼロ%に近い「平原」状態に
マイナス金利で「海底への競争」へ
2019年8月以降、世界的に金利低下が進行している。米国財務省証券10年利回りは、7月31日時点の2.01%(ブルームバーグ ジェネリックベース)に対し、8月27日には1.47%まで低下した。この水準は2016年米大統領選直前の10月初旬に記録して以来の低水準である。
ユーロ圏のドイツおよびその周辺国、スイスでは、30年債などの超長期債に至るまでほぼ全年限がマイナス利回りを記録する事態だ。世界的金利低下を受け、日本の10年国債利回りも8月29日には2016年7月以来の低水準となる−0.290%まで低下した。
こうしたグローバルな金利低下は、米トランプ大統領による対中輸入関税第4弾決定に起因するグローバル経済の下ぶれ懸念増大だけでなく、米利下げを起点に各国、地域で金融緩和競争、通貨切り下げ競争が繰り広げられる「底辺への競争」 (Race to the bottom)が連想されたことが背景にあると考えられる。
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