各地の企業年金を訪問して、年金資産運用の現状や考え方などを伺うシリーズ。今回訪ねたのは富士通企業年金基金です。新制度であるリスク分担型企業年金を2018年、大手企業としては最も早く導入した先駆けです。従来からの確定給付企業年金を含め複数の年金を運用する苦労などを、基金在籍13年のベテラン、加藤昌男(かとう・まさお)常務理事に伺いました。

富士通企業年金基金の概要

  • 所在地/(本部)神奈川県川崎市中原区小杉町
    (資産運用部)東京都港区東新橋
  • 事業所数/60社
  • 職員数/30名(主要事業所に配置する年金相談員10名を含む)
  • 設立年月/2005年9月(代行返上時)
  • 資産総額/約1兆4000億円
  • 加入者数/約6万6000名
  • 受給者数/約3万1000名
  • 待期者数/約8000名
    (いずれも2022年3月現在)

リスク分担型の導入は少数派

富士通・加藤氏
「加入者に迷惑をかけない資産運用」を心掛けているという加藤さん

東京・汐留。IT、通信・情報処理システムなどの総合電機大手の富士通。本社と同じ高層ビル内に、富士通企業年金基金の資産運用部門がある。一方、給付・裁定など人事系業務を担う本部は、中核事業所のある川崎市に置かれている。常務理事も2名体制で、資産運用担当が加藤さんということになる。

2017年の法改正で導入されたばかりの「リスク分担型企業年金」という新制度。企業年金の資産運用の観点からすると、大変大きな改革をいち早く、かつリアルタイムで経験されたわけですね。

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