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マクロ経済 世界経済の減速と円高の影響度。下振れリスクへの備えも大切
正常化とリスクの綱引き
世界経済および株式市場は、足元で強弱材料が入り混じり、先行き不透明感の強い状況が続く。経済活動とグローバル・サプライチェーンの正常化やインフレの頭打ち傾向がサポート材料となる一方、主要国の金融引き締め政策に伴う金利上昇や米中をはじめとする海外不動産市場の軟化、ウクライナ危機の長期化といった下振れリスクが残存している。
日本に関しては、日本と中国のリオープン(経済再開)の進展を追い風に、内需の回復とインバウンドを含む外需の持ち直しが期待される。さらに、米国経済が底堅い雇用環境の下でソフトランディングに向かうことになれば、日本経済と企業収益が回復軌道をたどり、株式相場も上昇基調になるというシナリオの現実味が増す。
他方、米国を中心とする諸外国の利上げの影響など先行き不透明感が依然として根強い点には注意したい。IMF(国際通貨基金)は、2023年1月に公表した世界経済見通しで、2023年の世界の実質GDP(国内総生産)成長率を前年比プラス2.9%とし、2022年(同プラス3.4%)から減速する見通しを示した。また、日本固有の要因として、日銀の金融政策修正に伴う円高進行リスクに留意する必要もある。
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