アレックス・フルー・マクミラン(Alex Frew McMillan)
香港を拠点に20年にわたりジャーナリスト活動を展開。ニューヨーク・タイムズやインターナショナル・ヘラルド・トリビューン、フィナンシャル・タイムズ、サウス・チャイナ・モーニング・ポストのほか、アジアン・インベスターなどの雑誌媒体でも執筆。
中国依存が大きい日本経済の現実
中国は8月中旬に突然、人民元を3日間で4.6%切り下げた。2005年に管理フロート制に移行して以来、切り上げ一辺倒だった人民元が切り下げられる日が来ることを予想した市場関係者はいなかった。切り下げた理由は、中国の輸出増加より、人民元為替レートの自由化に向けた措置だというのが中国政策当局の説明だった。
しかし、人民元切り下げは株式市場に大きなショックを与えた。世界同時株安が起こり、MSCIワールド・インデックスはわずか数日で9%、日経平均株価は14%急落した。世界同時株安は、中国が世界2位の経済大国だという事実を改めて世界に示す結果となった。
中国は、輸出大国であると同時に輸入大国でもある。2014年の輸出額は2兆3420億ドルで世界1位(2位米国)、輸入額は1兆9590億ドルで2位(1位米国)だった。言い換えれば、世界経済は対中貿易にこれほど大きく依存しており、中国経済の動向が関係国に大きな影響をもたらす構造ができているわけだ。
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