会員限定
金利ある世界のALM刷新 第1回:ALMとは何か、何を目的とするのか
長きにわたる低金利の時代が終わり、日本の金融機関・機関投資家は「金利ある世界」に向き合う局面を迎えている。この環境変化は、資産と負債をいかに管理するかというALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)のあり方を根本から問い直している。東洋大学の野崎浩成氏にALMの基礎から課題までを包括的に聞いた。
経済的価値の毀損と流動性危機、ALMが管理する2つのリスク

国際学部 グローバル・イノベーション学科 教授
野崎 浩成氏
銀行・保険会社・年金基金といった金融機関・機関投資家のバランスシートには、運用することで収益を生み出す資産がある一方、その対面に調達源となる負債が存在する。したがって資産と負債のバランスは重要であり、収益性だけを追い求める資産ポートフォリオを構築すれば負債側で無理が生じるだろうし、反対に負債の安全性を優先しすぎれば収益機会を失いかねない。
こうした収益と安全性の構造的なトレードオフを前提とし、個別最適ではなく資産(アセット)と負債(ライアビリティ)の両面を睨んだ一体管理のかたちでそのバランスを最適化し、様々なリスクへの耐性を高めつつ財務的な効率性を追求しようというのが、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)の発想の出発点である。
もっとも、実際には多くの金融機関はデリバティブ取引などのオフバランスシート取引も行っており、資産・負債・オフバランス取引を網羅したマネジメントというのが、ALMの実相と言える。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。
















