2026年4月1日発表の日銀短観3月調査で調査対象企業の定例見直し実施。2025年12月調査では大企業・製造業・業況判断DIは+15だったが、2026年3月調査での比較対象としての12月データは+16を使用
日本銀行は、日銀短観の調査対象企業を2~3年に1度、定例的に見直している。経済実態をできるだけ正確に把握することが理由だ。2026年3月調査で見直しが実施された。見直し後の調査対象企業数は、2025年12月調査時点の8,836社から9,209社に373社増加している。
2026年3月調査結果の「概要」において、2025年12月調査からの大企業・製造業・業況判断DIの変化を表示する場合には、比較対象としての2025年12月調査データは新ベースプラス16を使用することになる。
なお、「概要」の長期時系列グラフや時系列統計データ検索サイトでは2025年12月調査まで旧ベース、2026年3月調査より新ベース のデータが記載される。
2026年4月1日発表の日銀短観3月調査、大企業・製造業・業況判断DIプラス18程度、大企業・非製造業・業況判断DIプラス29程度を予測
日銀短観3月調査の予測では、2月28日に始まったイスラエル・米国とイランとの戦争の影響を考慮することが必要になる。すでに原油価格の急騰などの影響が出ているが、3月調査のQUICK短観やロイター短観の調査期間は、攻撃後になるので、3月の業況判断DI予測の参考になる。
日銀短観3月調査の大企業・製造業の業況判断DIは、12月調査のプラス16から2ポイント程度上昇してプラス18程度になると、様々な材料から総合的に予測した。予測通りなら4期連続の上昇になる。
大企業・製造業の関連データとしてロイター短観の内訳を見ると、悪化すると見られる3月の「石油・窯業」がプラス25で、2月時点のプラス11から改善し、12月のプラス25と同水準だった。窯業が半導体の回復がプラス材料になったためだ。
3月の「化学」はプラス21で、12月のプラス11から改善した。中国から日本に生産拠点を移転し、受注が好調のようだ。3月の「金属・機械」はプラス20になり、12月のプラス5から改善した。為替の安定が好影響になったようだ。「電機」は半導体の好調で3月はプラス10となり、2月のプラス6から改善、12月のプラス10と同水準だった。「輸送機械」は自動車の受注が高水準で3月はプラス36となり、2月のプラス33から改善したが、12月のプラス44からは低下した。
一方、大企業・非製造業の業況判断DIはプラス29程度と、こちらは12月調査のプラス36から7ポイント程度低下すると予測した。原油価格の急騰でマイナスの影響を被る「運輸・電力等」は12月のプラス21から3月はプラス10に低下した。なお、先行きの不透明感から6月までの見通しはマイナス5に落ち込む見込みだ。

出所:(出所)日本銀行、トムソン・ロイター、QUICK
大企業・製造業・業況判断DIと相関性がある鉱工業生産指数の1~3月期・前期比は「0.0%横這い」あるいは「マイナス0.1%下降」の見込み
2018年1~3月期から2025年10~12月期の32四半期のデータで、鉱工業生産指数と日銀短観・大企業・製造業・業況判断DIの相関係数を計算すると0.543とそれなりに相関があることがわかる。
鉱工業生産指数は2026年2月27日に1月速報値が発表された。1月速報値での前月比はプラス2.2%だった。2月・3月を製造工業予測指数の前月比(マイナス0.5%、マイナス2.6%)で延長するケースと、2月を経産省が試算した先行き補正値・最頻値の前月比(マイナス1.9%)、12月を製造工業予測指数前月比(マイナス2.6%)で延長するケースで、1~3月期の鉱工業生産指数の前期比を試算することができる。前者は0.0%で横這い、後者はマイナス1.0%の下降になる。鉱工業生産指数の1~3月期・見通しからは、3月調査の大企業・製造業業況判断DIは、12月調査からは横這いか微減が予測される。
日銀短観DIと連動性が高いことが知られているQUICK短観やロイター短観の動向
2026年3月17日に発表されたQUICK短観3月調査の調査期間は3月2日~3月12日。3月の製造業の業況判断DIは12月のプラス22から1ポイント上昇のプラス23になった。参考値として公表されている3カ月移動平均では12月のプラス21から5ポイント上昇のプラス26になった。また、3月の非製造業の業況判断DIはプラス29と、こちらは12月のプラス37から8ポイント低下した。3カ月移動平均では12月のプラス34から4ポイント低下のプラス30になった。

出所:QUICK
ロイター短観の3月調査の調査期間は3月4日~3月13日。3月の400社ベースの製造業の業況判断DIはプラス18と12月のプラス10から8ポイント上昇した。また、3月の200社ベースの製造業の業況判断DIは12月調査のプラス17から4ポイント上昇しプラス21になった。
3月のロイター短観400社ベースの非製造業の業況判断DIは12月調査のプラス33から8ポイント低下しプラス25になった。一方、3月の200社ベース・非製造業の業況判断DIは12月調査のプラス26から5ポイント低下しプラス21になった。

出所:ロイター
QUICK短観3月調査の製造業の6月までの「先行き見通し」はプラス18で12月実績のプラス23から5ポイント低下の見込みだ。一方、非製造業の6月までの「先行き見通し」プラス21で3月実績のプラス29から8ポイント低下の見込みだ。
ロイター短観3月調査の6月までの「先行き見通し」は、製造業・400社ベースでプラス14と3月実績のプラス18から4ポイント低下の見込み、一方、製造業・200社ベースではプラス24と3月実績のプラス21から3ポイント上昇の見込みだ。また、非製造業・400社ベースの6月までの「先行き見通し」はプラス14と3月実績のプラス25か11ポイント低下の見込みだ。また、非製造業・200社ベースでは6月までの見通しはプラス21と3月実績のプラス21と同水準の見込みだ。
日銀短観の大企業・業況判断DIの6月までの「先行き見通し」は、QUICK短観やロイター短観などを参考にして、製造業は3月実績比6ポイント程度低下のプラス12程度になると見た。一方、非製造業は3月実績比6ポイント程度低下のプラス23程度と予測した。
3月調査の2025年度大企業・設備投資計画前年度比は12月調査から下方修正を予測。2026年度もしっかりした数字に
3月日銀短観の設備投資計画の予測には、法人企業景気予測調査や、過去の修正パターンなどを考慮した。
3月調査の法人企業景気予測調査では、2025年度全産業(全規模)設備投資計画は12月調査のプラス6.6%からプラス3.9%へ鈍化した。2026年度全産業設備投資計画はプラス3.5%だ。
2025年度の大企業・全産業の設備投資計画は前年度比プラス9.5%程度と、12月調査の同プラス12.2%から2.7ポイント程度低い増加率になると予測した。内訳は製造業、非製造業とも下方修正になると見た。2026年度の大企業・全産業の設備投資計画は前年度比プラス8.1%程度と見た。
| 3月製造業DI | プラス18% |
| 3月非製造業DI | プラス29% |
| 6月製造業DI | プラス12% |
| 6月非製造業DI | プラス23% |
| 2025年度設備投資計画(全産業)前年度比 | プラス9.5% |
| 2026年度設備投資計画(全産業)前年度比 | プラス8.1% |











