シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングス傘下で、プライベートクレジット分野に深い知識と専門性を有するシンガポール拠点の資産運用会社、セビオラ・グループが2025年3月13日、都内で「アジア地域におけるプライベート・クレジットの可能性」と題したメディア向け説明会を開催した。基調講演には、セビオラ・グループの運用会社セビオラ・キャピタルのクリストファー・スミス氏、シータウンのエディ・オン氏、イノベン・キャピタルのアシシュ・シャルマ氏、およびセビオラの戦略的パートナーADMキャピタルのサビタ・プラカシュ氏、が登壇。アジア地域でプライベートクレジットが拡大している背景やその投資妙味などについて語った。(中川麗)

セビオラグループ
左から、セビオラ・キャピタルのクリストファー・スミス氏、シータウンのエディ・オン氏、ADM キャピタルのサビタ・プラカシュ氏、イノベン・キャピタルのアシシュ・シャルマ氏

拡大中も成長の余地を残すアジア・プライベートクレジット市場

グローバルな視点で見たとき、オルタナティブ資産の中でもプライベートクレジットは最も成長が早く、過去15年間で10倍に拡大し、現在の市場規模は2兆ドルを超える。中でもアジア地域でその傾向は顕著で、2020~2023年の年平均成長率は19.5%と世界平均の11.5%を上回る水準だ。

しかし依然としてアジアのプライベートクレジット市場は世界全体の6~7%に過ぎない。「世界のGDP(国内総生産)の約25%を占める米国が現在のプライベートクレジット市場の7~8割ほどを占めていることを考えると、世界GDPの約6割を占めるアジア地域のプライベート・クレジット市場規模が現在の数倍まで拡大しても何ら不思議ではない」。セビオラ・キャピタル セールス&ディストリビューション部門責任者のクリストファー・スミス氏は、講演の冒頭でこのようにアジア・プライベートクレジットの見通しを語った。

「アジア地域のプライベートクレジット市場は米国に比べるとまだ深みも広がりも小さく、投資家の数も少ない。一方で契約の柔軟性が高く、投資家は契約内容を調節することでダウンサイドの守りを固めやすい利点もある。 ハード(牢固)な担保も期待でき、デフォルト時にも非常に大きな守りを提供できる」

スミス氏はこのように足元のアジア・プライベートクレジット市場を総括した後、「米トランプ政権のアメリカ第1主義的な政策などを背景にボラティリティが高まり、脱グローバル化や他の国とのデカップリングが進む状況において、アジア地域へのプライベートクレジットに対するアセットアロケーションを増やすべき」と強調した。

スミス氏は続けて、アジア地域のプライベートクレジットは契約により10%半ばのリターンが期待できるケースが多く、平均的なクレジット・スプレッドは米国のプライベートクレジットに比べて大体300から500ベーシスポイント程度高くなる傾向があると説明した。

プライベートクレジットの真価が発揮されるアジアの経済成長環境

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