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マクロ経済 新型ウイルス拡大をきっかけに長期の金融不均衡の調整局面も
GDPは年率マイナス3%も
新型ウイルスは当初、中国向け輸出やインバウンド消費の激減、サプライチェーンの混乱を通じ、日本経済に悪影響を及ぼすと懸念されていた。しかし、今や日本でも感染が広がり、2020年2月半ばには外出や企業の出張の自粛が拡大、同年2月26日には安倍晋三首相が大規模イベントの自粛を呼びかけ、事態は急激に悪化している。
当初、筆者は、新型ウイルスで同年1~3月のGDP(国内総生産)は年率1%程度のマイナスになると考えていた。消費増税や台風19号で2019年10~12月の成長率がマイナス7.1%と落ち込んだため、これでも相当に低い成長なのだが、足元の情勢を勘案すると、落ち込みはさらに深く、年率マイナス3%程度となりそうだ。
政府のイベント中止・延期要請や人々の巣籠りが功を奏し、新型ウイルスの早期終息につながればよいが、年度を超えても世界的に終息が見えてこない場合、事態は一段と深刻になる。2020年4~6月もマイナス成長が続くなど、回復時期がずれ込んでいくと、様々な悪影響の二次的波及を考慮しなければならなくなるためだ。我々はどこまでリスクを考えておくべきか。
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