欧州を拠点とするリアルアセット運用会社のパトリツィアは、次なるインフラ投資の投資機会として、日本を含むアジア太平洋地域に注目しているという。来日した同社の担当者および、日本拠点の担当者にインタビューを行った。

次世代のインフラ技術は大企業から生まれない

パトリツィアトム・マー氏ディレクター・アジア太平洋地域ヘッドトーマス・ヒルシュフォーゲル氏(写真右)パトリツィア・ジャパン代表取締役社長滝沢 正美氏(写真左)
パトリツィア
マネージング・ディレクター
トム・マー氏(写真中央)
パトリツィア
ディレクター・アジア太平洋地域ヘッド
トーマス・ヒルシュフォーゲル氏(写真右)
パトリツィア・ジャパン
代表取締役社長
滝沢 正美氏(写真左)

現在のインフラ投資環境についてどう見るか。

マー インフラ投資はここ数年間で、物価の高騰や金利の上昇など、様々なストレス環境における“テスト”を経験した。その中で、このアセットクラスは平均的に高いパフォーマンスを記録し、景気サイクルを通じて非常にレジリエントであるとの強みを改めて機関投資家に示した格好だ。日本をはじめ、世界で多くの機関投資家がインフラ投資へのアロケーションを拡大している動きが窺える。

とはいえ、グローバルな動きとして機関投資家がインフラ投資の重要性を真に認識しはじめたのは、ごく最近のことだと感じている。「インフラストラクチャー(社会・生活の基盤)」という名前の通り、我々の社会・生活はインフラなしに語れないにもかかわらずだ。

現在、我々の社会はいくつかのマクロトレンドへの対応のため、変革を余儀なくされている。脱炭素社会への移行、デジタル・トランスフォーメーションの推進、人口動態の変化や都市化への対処などがそうだ。

しかし、脱炭素に貢献する再生可能エネルギーの発電施設や電力ストレージ、EV(電気自動車)の充電ステーションなどを例にとっても、現状の投資額と社会の変革に必要とされる投資額には大きな開きがあるのが現状だ。既にインフラ投資は注目の投資先となっているが、これから参入する投資家にとっても、まだ投資機会は残されていると言えよう。

注目している投資先は。

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